歴史ある大庭園
13. ドミニク・バイイ
"L’abri"
published at 05/01/2018
ドミニク・バイイは長い間、森とその動きに関する仕事をしてきました。原始的であると同時に神聖な建築に関する、厳格で象徴的な二重のボキャブラリーに着想を得て、彼女は、森に関する知識を利用して、素朴で自然のままであると同時に厳格に幾何学的な彫刻を制作します。植物的な建築において、彼女は、周囲の樹木の剪定から得られる最もまっすぐな枝を使用しています。それらは集めて曲げられてからサポートする金属構造に固定されます。
彼女の作品は、同じ探求に関するもので、それは建築、彫刻の起源を発見すること。そのために彼女は、その神秘的な特質により、「自然を演出し」、記憶、連合、解釈を引き起こす構造と空間を生み出します。
ショーモン・シュル・ロワールで提示された「避難場所」は、アーチの下に完全に挿入されることにより、驚くべきシャトー・ドーのアーチ型の空間の形を思い出させます。
プロフィール
ドミニク・バイイ
フランス
ドミニク・バイイは彫刻家です。彼女はパリとトゥレーヌに住み、活動しています。1970年代半ば以来、彼女の作品は、生活の場所として選んだ自然と瞑想的な関係をもっていることを示しています(ブルターニュの森、リムーザン地方の森、ヴァンデ沿岸地域、ロワール河岸)。
風景との関係に基本的つながりを見出している彼女の芸術的アプローチは、2つの経路をたどります。つまり、アトリエでの彫刻の制作と、風景の中へのダイレクトな制作作業。
アトリエでは、彼女は材料について個人的な扱い方をもっており、また形についても研究をおこたりません。オークの丸太、ブナの楕円形状、直径が1メートルのセコイアの球体などが彼女の制作に使用されます。彼女はしばしば作品を一連のシリーズで制作します。例えば、火山の場合の「大地の涙」、「球体」あるいは「涙」がそれにあたり、その後、インスタレーションとしてそれらの配置を決めます。
あるものは、単に、地面にばらばらに配置され、または特定の整列した形に配置されます。展示場所によっては吊り下げられたり、分散されたりする場合もあります。アーチストは、自分の作品をある一定の順路で見るように示唆しながら配置しますが、同時に見学者の自由な移動をさまたげるわけではありません。
彫刻の制作においては、形状の研究のために常にデッサンが重要視されます。
自然の環境に直接に制作を行う場合は、空間を彫刻する植物建築、出来事、インスタレーションを制作します。
アトリエでの仕事から風景内での直接の作業に移行する場合、同じ仕方で、形状、意味、隠された物語を示します。 ガーデニングや発掘作業を要する制作の作業は、下調査で発見された最も重要な要素を演出し、土地のエスプリを強調する傾向があります。これらの作品は、散策者が自ら移動することを要求し、身体的に関与し、風景の漸進的な発見を促します。そして地形とリズムを発見するその場所に見学者が参加することを求めます。これが、「彫刻ウォーク」であり、アーチストが巨石の列に親しむなかで考え付いた概念です。
直接に現場の建築プロジェクトに作業を行う場合、彼女は、作品、風景、建築物の間の弁証法をさがしもとめ、場所、そして歴史的・空間的・機能的なレベルの環境的な要素を考慮します。このような文脈での作品は、「見るべき物体」ではなく、特定の場所のために構築された「生活空間」なのです。目的は、形の上で単なる空間と構造を生み出すだけでなく、考察と散策のための時間と空間を必要とし、場所の感覚的経験を刺激することができる空間と構造を示すことです。
2017年7月30日に死去。