厩舎のカルーセル
C. ステファンヌ・ギラン
"Le Nid des murmures"
published at 10/01/2018
「私は、モロッコのアトラス山脈から拾い集めたジオード(晶洞)で作られた巣を想像しました。人の手で摘まれた石の花。それはちょうど地面からじかに集めた詩のように。これらの壊れたジオードから、純粋な花が開花します。それがクオーツ、人のささやきの番人。白いクオーツには、考えや感情をこだまさせるという魔法の力があるといわれます。また、私たちのうちに隠された、沈黙の言葉を歌いあげるともいいます。
子供たちのささやきから生まれた音楽が、この詩的な旅を明るいものにしています。
ショーモン・シュル・ロワールの、厩舎のカルーセルは、他に例をみないアーキテクチャをもって振動します。根をおろしたアーキテクチャ。それは、物質が結晶化するこの古いかまどの台地を照らしています。空気のように軽く。それは、風や鳥にむかって開かれている窓に、リズムが生まれる大聖堂の軽さを呼吸しています。
天と地の間に置かれたこの四千のクオーツのジオードが、ささやきをはてしなく増幅します。沈黙の増幅装置。訪問者が、自分の夢を残していかれますように。願いごと。秘密の夢。そして、それらの沈黙は、開かれた窓から、吹く風とともに飛び立つでしょう。世界の耳に達するまで。星がそれらを口ずさみ、星座が生まれます。自分という繭から作られた歌われる地図を織りながら。いまにも孵化しそうな夢。詩が人々を眠りから目覚めさせる世界を構築するために」ステファンヌ・ギラン
プロフィール
ステファンヌ・ギラン
フランス
ステファンヌ・ギランは、1968年にフランス・ヴァール県で生まれました。彼はエガリエールとバルセロナに住み、活動しています。ESSECビジネススクール出身、2001年にグラフィックスの世界を後にしました。
2002年から2011年まで、彼は、主に鋼線から作品を制作。それは初期作品の継続に相当するものです。2004年に、バルセロナでのアーティスト・イン・レジデンス時に鋳物工場で研修を受け、彼は巨大な彫刻の世界へと入っていきました。この時期、線上の純化された作品は、多くの場合、書道や日本の俳句に触発された、空間で繰り広げられる空想のエクリチュールを思わせます。
2011年、彼はギャラリー・アリスパウリに参加し、他のメディア探索を開始します。最初は、対称をテーマにしたシリーズにおける反射を中心に写真を発表。その後、すぐに彼の作品で重要な役割をになうガラスと水晶を扱います。水晶により、主に自然との親密な関係に触発され、よりオーガニックな形状にいたります。彼は、ガラス屑に関する仕事を通じて、リサイクルの材料、ピクセルまたは画像要素として、自然の水晶そして他の結晶石との対話を通じて、水晶の現代的な様々な表現を扱います。
自然と抽象化が彼の作業において、同じ鏡の両面として作用しています。彼の最新の作品で彼は、彫刻と画像の仕事を関係づけています。インスタレーションでは、水晶とビデオを併用し、観客を水晶が触発する感動へと引き込もうとしています。