Hôtel Le Bois des Chambres & Restaurant Le Grand Chaume

素朴な橋

published at 26/10/2022

観賞用庭園とグアルーと呼ばれる場所を隔てるくぼ地にかかる『丸太造りの』橋は、大庭園にある主要な装飾用建造物となっています。

大庭園の最初の計画では、アンリ・デュシェーヌは、現在の橋とは大きく異なる、道とくぼ地をひと続きにまたぐつり橋を造ることを検討していました。結局、公爵夫妻はこの最初の計画を却下して、アンリ・デュシェーヌに今日見る事のできるこの橋の建築を依頼しました(現在は通行止め)。

アンリ・デュシェーヌがブロイ公に宛てた1884年12月30日付の手紙の中で、、アンリは、橋の設計が彼らの間での多くの会話の的となっており、「彼は常に25,000~30,000ゴールド・フランでこの工事の実現に向けて計画を立てていました。この困難な仕事の中で、私は前例のないことを言わなければならず、私は貴殿のご興味への非常に高い関心を抱いていたことを自覚しています。金属部分は工業的に処理され、ヘッド成形機は1か月分の定額料金に含まれています。鍵屋の助手は地元出身であり、素朴なセメントコーティングは、量産価格でその日のうちに行われ、専門の請負業者の利益に費やす必要はありませんでした。橋台については、確かに非常に高価ですが、土台やショーモンのもののような地形に関しては注意が必要です。」と述べています。

この作品は、その設計(異なる位置での2つの歩道橋で、1つは道路にまたがり、もう1つは峡谷に架かっており、本物のツタで覆われたセメントでできた偽の木の幹のらせん階段でつながっています)ならびに当時としては非常に近代的な施工技術の両方で注目に値します。これはコンクリートではなく強化セメントであり(これはこの時点ではまだ発明されていませんでした)、素朴な方法で処理され、2,700 kgの鉄を表す金属製の鎧の上に剥がれた木の幹と枝のような錯覚を与えます。この橋は、19世紀の愚行の精神に則り、模造木材のだまし絵の装飾が施され、パリのビュット・ショーモン橋の装飾を思い起こさせる、実に興味深いものです。