2020年アートシーズン
2020年5月16日から2021年1月3日まで
2020年アートシーズンは、毎年のように、新たに15人のアーティストが庭園と城内で独自の優雅で繊細な創作世界を展開します。こうして、農場の中庭の数か所に設置されたジョエル・アンドリアノメアリソア(Joël Andrianomearisoa)のインスタレーションが昼と夜をめぐる詩的な瞑想へと私たちを誘います。ジュゼッペ・ペノーネ(Giuseppe Penone)の、まるで「影を吸い込んで外観を通り抜ける」ような2つの彫刻作品。城内で初公開される彼のデッサンからは、まるでとりつかれたような彼自身と樹木と枝とのかかわりを感じ取ることができます。
城の西翼と南翼には、「Paysages révélés(啓示された風景)」展の一環として、深い森や広大な野原、畑の躍動感あふれる美しさを表現したフィリップ・コニエ(Philippe Cognée)の大型のキャンバス画30点あまりが展示される予定です。
今年度のプログラムでは、やはり自然をテーマにしたライブラリ、標本、コレクションが大活躍します。こうして、城の図書館では、パスカル・コンヴェール(Pascal Convert)の結晶化した本が不穏な雰囲気を醸します。歴史的大庭園に展示される、記憶の力を訴えるかのような彼の黒い切り株の姿には、深い驚きと感動を覚えずにいられません。
マリネット・クエコ(Marinette Cueco)の幻想的な押葉標本や、日本人アーティスト東信の植物図鑑を思わせる見事な作品に象徴される、あまりにシンプルで明白な自然の傑作を前に、思わず立ち止まってしまう人も多いことでしょう。イザ・バルビエ(Isa Barbier)の幻想的な羽根、ソフィー・ラヴォー(Sophie Lavaux)の洗練された磁器、レア・バルバザンジュ(Léa Barbazanges)の繊細なクリスタルが、半透明の白い輝きで城の奥深くとミツバチの納屋を灯します。
庭園と城の付属建物では、ボブ・ヴァーシューレン(Bob Verschueren)の『L’arbre de Vie (命の木)』、マルク・ニュセラ(Marc Nucera)のオーガニック作品、ヴァンサン・バレ(Vincent Barré)の『Couronnes d’arbres (樹冠)』、王克平(Wang Keping)の『Oiseaux (鳥)』、彫刻家アクセル・カッセル(Axel Cassel)の『Fumées (煙)』その他の作品が、自然に宿る多種多様なフォルムと素材の数々を連想させます。今シーズンのアーティストは、メジャー・新人を問わず、当地のさまざまな場所との折り合いの中で、めったに体験することのできない感動の