厩舎の中庭
C. マチュー・ルアヌール
"Petite Loire"
published at 10/01/2018
オリジナルな「植物的な仕草」というテーマの作品のために招待されたデザイナーのマチュー・ルアヌールは、「プティット・ロワール」の厩舎のために、ロワールという川とショーモン・シュル・ロワールの木々にインスピレーションを得て、緑の大理石の作品を制作しました。
「私は水を通じて、庭を取り上げたいと思いました。城の下の流れを見るまでもなく感じるこの水、大洋へと絶えず流れる水。ロワール川は、フランスの最後の野生の川だという人がいますが、川は絶えることなく流れ、その流域の風景を作り出し、また風景をはぐくんでいます。「プティット・ロワール」は、その絶えず動き続けるものの一瞬の停止したイメージ、化石化された姿だといえます。庭園の表面に、つまり実際の川の水面から数十メートルの高さに、「プティット・ロワール」は、明確な突破口を切り開き、地面にぽっかりと口を開け、河川の地形を見せます。それは眩暈がするような、通行できるもので、くすんだ色の大理石でできています。」マチュー・ルアヌール
プロフィール
マチュー・ルアヌール
フランス
国際的なデザインの最前線に位置するマチュー・ルアヌールは、「ウォールペーパー」誌(英国)と「サーファス」誌(米国)の2014年と2015年版で、「世界で影響力をもつトップデザイナー100人」にランクされています。彼の世代のデザイナーとして、家具以外のこれほど多くの異なるフィールドをこなせるデザイナーはいないといわれます。
彼は、ユーザーの向上のために、デザイン、科学、アート、技術に関連するオブジェクトと魔法的アーキテクチャを革新してきました。
彼はパリのENSCI、国立高等工業クリエイションスクール/アトリエの出身です。彼の卒業プロジェクト、「治療オブジェ」は、薬に関する人間工学の作品で、即時に、ニューヨーク近代美術館のパーマネントコレクションに入れられました。
ニューヨーク近代美術館の建築・デザイン学科のシニアキュレーターのパオラ・アントネッリは、彼が「現代デザインの分野における知的鋭敏さのチャンピオン」だといいます。
2008年に、彼は、雑誌ポピュラーサイエンスの「最優秀発明賞」を受賞しました。対象となった作品は、植物による家庭用空気ろ過システム「アンドレア」で、ハーバード大学と共同で、NASAによって行われた研究をベースに考案されたものでした。
マチュー・ルアヌールは、ヴーヴ・クリコ、オーデマピゲ、プルマンホテル、ネスレ、クリストフル、カルティエ、ポルトローナ・フラウ、ジェーシードゥコーやナイキなど、各分野の大手企業に協力しています。彼のクリエーティブな仕事は絶賛を浴びています。例えば、ユネスコの世界遺産であるサン・サンティレール教会の内陣(メル /フランス)、ボレリー公園の城、装飾・ファイアンス・ファッション美術館(マルセイユ/フランス)、ディーコネス病院、ポンピドゥーセンター(パリ)、多文化スペースカフェ「アートサイエンス」(ボストン/米国)などを挙げることができます。
彼はまた、国際的なブランドのために画期的なハイテク商品の設計に協力し、ブルートゥーススピーカーブBoom Boom(Binauric)、住宅エネルギー節約スマートオブジェWiserシリーズ(シュナイダーエレクトリック)、ハイブリッドの時計とラジオTake Time(レクソン)、オフィス家具のコレクションStrates (Objekten)、照明サスペンションCloudyコレクション (Fabbian)を手掛けています。
2009年に、彼は著名なTED会議に招待されました。2012年に彼に関するものグラフィーが出版されています(Gestalten出版)。彼は現在、ファーウェイ社のチーフデザイナーです。