歴史ある大庭園
08. 川俣正
"Cabanes dans les arbres"
published at 05/01/2018
日本人アーチストの川俣正は、ショーモン・シュル・ロワールで制作された作品において、スケールの遊びを取り入れることにより、訪問者に自然の中での体験と風景の新しい見方を提供しています。
川俣正はインスタレーションとして、ショーモン城の庭園内の森に「3つの小屋」を制作しました。これらの木の上の小さな避難場所のデザインは、それぞれの木によって異なっています。それぞれのインスタレーションは、自然と風景に本当に埋没してしまいたいという欲求を起こさせます。
プロフィール
川俣正
日本
日本人アーチスト川俣正は、1953年に北海道で生まれました。現在彼は、東京とパリを生活と活動の拠点としています。
彼は若くして、日本と世界のアーチストとして認められました。東京芸術大学卒業後、28歳の若さで、1982年のヴェネツィア・ビエンナーレの日本館に招待されました。その後、世界中で、常に制作する場所と一体化した巨大な作品を制作します。
彼の作品は、社会的文脈と人間関係において考察をうながします。モントリオール、ニューヨークや東京といった都市の周辺に、彼がリサイクル材料(木材、ダンボール)を使って小屋のインスタレーションを制作する時、スラム街やホームレスについて注意を喚起しているのです。アルクマールでは、プロジェクトは社会的に困難な状況にいる人々が関連付けられ、その社会復帰センターから街の中心まで歩道橋が作られました。すべてのプロジェクトにおいて、アーチストとともに、学生、住民、グループが参加して、作品の制作、組み立てが実現されます。
彼の仕事の根にあるのは都市問題です。アーチストが作品の場所に選ぶのは、建築現場、解体の現場、都市空間に残っている中間的な領域であり、インスタレーションの材料としてその現場にある素材(椅子, ボート, 足場など)を「リサイクル」して利用します。カッセルでは、第二次世界大戦によって破壊された教会跡が場所になりましたが、都市の再構築中に放置されていた場所でした。彼は、1987 年の「ドクメンタ VIII」を機会にその教会を住民のために修復しました。時間は、偉大さの指標または記念碑あるいはひとつのサイトの衰退の指標であり、彼の作品の重要な要素となっています。
彼の作品は、過去と現在の間に橋を再構築し、同時に目に見えない感情を明らかにすると同時に、それらの物質的なリアリティをも明らかにします。共有する仕事と共同生活への考察が、それぞれのプロジェクトの基盤になっており、過去の記憶を目覚めさせます。
パリでの川俣正は、ギャラリー・カメル・マンヌール(Kamel Mennour)がその代表となっています。