歴史ある大庭園
06. フランソワ・メシャン
"L’Arbre aux Échelles"
published at 05/01/2018
歴史的な庭園内に、彼は一本の木に、いくつもの梯子を立てかけて見せます。梯子は地面から数メートルの高さに吊り下げられていて、風が吹くと少し揺れ、木と共に全体がひとつの生き物のように、季節と共に推移するのです。
日常生活の制約を逃れるために木の上に避難した男を描く、イタロ・カルヴィーノの小説「木のぼり男爵」を参照する、フランソワ・メシャンの「はしごの木」は、世界を、遠くから、上から、つまり異なった視点で見ることを促す詩的な招待状です。
プロフィール
フランソワ・メシャン
フランス
彫刻家、写真家のフランソワ ・ メシャンはシャラント県ヴァレーズに1948年に生まれ。
ブールジュの国立美術学校を卒業後、サンテティエンヌの美術学校で写真を教えています。
フランソワ ・メシャンは、ランドアートの伝統を受け継ぎ、自然の中に作品を生み出します。彼は、その場所に設置される一時的な作品を制作しますが、特に、場所の歴史、写真家としての視点、インスタレーションの解釈とその将来について気を配ります。風景の彫刻をレンズを通して固定します。これは、彼が数々の旅を通じて見て、経験した土地の事物にたいする情熱から生まれているのです。
「私の作業は、いわば分厚い世界をボーリングするようなものです。私の仕事の難しさは、適切な距離を設定することの難しさです。私の彫刻は、カメラのファインダーが事物をとらえるために、それ用に構築されているのです。私は常に自分の足跡を消そうとします。他の人は私を何かに分類しようとしますが、できたことはありません。写真家、彫刻家、写真のための彫刻家、地球についてのように、光を変えるためにラボを使う写真家、私はこの不確かなあいまいな空間というのが好きなのです。」共同著作である2002年の「フランソワ・メシャン、事物の練習」。
彼は2019年2月に亡くなりました。