城の厨房
A. ジェフリー・ブロンズ
"La taille des antes"
published at 10/10/2023
フランスに20年以上在住するアメリカ人アーティスト、ジェフリー・ブロンズは、自然を精密に、忍耐強く、熱心に観察することでキャリアを築いてきました。彼は、風景画家というより静物画家に近い丹念な眼差しで身の回りにある風景を見つめ、デッサン、水彩画、油絵といった伝統的な技法の他、ビデオという現代的メディアを駆使して、可能な限り忠実にそれらを移し替えようと試みています。ジェフリー・ブロンズが、飽きずに同じテーマを何度も考えようとする姿勢には、修道僧を思わせるものがあります。それは、何度も繰り返される祈りや儀式のようであり、そうした祈りや儀式のたびに、彼は新しい何かを発見しようとしています。
ジェフリー・ブロンズがショーモン・シュール・ロワールに展示するビデオ・インスタレーションは、4つの「写真のフィルムワインダー」からなり、それぞれが1年間撮影された画像を映写する仕掛けになっています。各スクリーンには、1年52週間にわたって厳密に同一のフレーミングで固定ショットで撮影された1時間のシークエンス作品52本からなる連続動画が映し出されます。この極めて詩的な作品は、見る人を瞑想へと誘い、時間と私たちとの関係をかき乱します。そこでは、継続する時間、ゆっくりと流れる時間、その日その日の、また季節の移り変わりの中で変化する光との戯れが演出されています。
プロフィール
ジェフリー・ブロンズ
アメリカ
ジェフリー・ブロンズ(Jeffrey Blondes)は写真家、画家として世界中のギャラリーで35回以上の個展を開催し、豊かなキャリアを築いてきましたが、この8年間はハイビジョン映像による24時間と52時間の映像作品の制作に専念してきました。これらは、彼の作品を知る人にはおなじみの、自然の繊細さを観察し、辛抱強く待ち、記録するというアプローチを採用したものとなっています。
彼の関心は常に、風景と時間の交わりの探求にありました。フランス語の「temps」という言葉が内包するもの、すなわち時間、気候、季節、そのリズムと移り変わりに関心を寄せてきました。
ジェフリー・ブロンズの「temps」は、忍耐強い観察者の感覚を、時間の経過を見たり感じたり、地球の自転を感知したりし始めるほどに研ぎ澄ませてくれます。こうした瞑想の状態の中で、見る人は、田園に散在する要素と一体化し、都市の喧噪の中では体験することのできない「時間を超越した感覚」を得ることができます。
自然に直接触れながら仕事をするブロンズは、見る人に実際にそこにいるかのような体験をさせてくれます。常に野外の「その場」で制作される彼の作品は、修正されることがほとんどないため、見る人は、本物の出来事をリアルタイムで記録する場面に立ち会うことができるのです。